遺言で債務に関する取り決め指示

  1. 書き方例

    第〇条 私は、〇条に定める相続の負担として、次の債務・費用を妻 甲(大正 〇年 〇月 〇生)に承継・負担させる。
    財産目録〇の不動産を担保とする〇〇銀行の借入債務 
    財産目録〇の不動産の公租公課
    私の葬儀、埋葬等の費用
    本遺言執行に関する費用
    遺言執行者に対する費用
    ・・・・・ 

  2. 解説

    相続人は、相続の開始の時から、被相続の一身に専属したものを除き、被相続人の一切の権利義務を承継します。
    したがって、相続人は、被相続人の負担していた債務も相続分に応じて承継します。
    例えば、被相続人の借金を遺言で特定の人に承継させても、相続人間では有効ですが、債権者に対して効力は及びません。
    すなわち、債権者が相続人に法定相続分に従った相続債務の履行を求めたときには、これに応じる必要があります。
    しかし、債権者が自主的に実際の相続分に従った相続債務の履行を相続人に求めても問題ありません。
    葬儀費用や埋葬費用は相続財産に関する費用ではなく、相続債務となりませんので負担という扱いです。
    遺言執行費用と遺言執行者の報酬については、「遺言に関する費用」として、相続財産から負担することになります。