事業承継円滑化法の認定・確認等の申請とは?
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に関する法令は、
次の3つの基本的枠組みを盛り込んだ事業承継円滑化に向けた総合的支援策の基礎となる法令で、
平成 20 年 10 月 1 日(遺留分に関する民法の特例に係る規定は平成 21 年 3 月 1日)から施行されています。
- 遺留分に関する民法の特例
- 事業承継時の金融支援措置
- 事業承継税制
遺留分に関する民法の特例とは?
民法第千二十八条「遺留分」兄弟姉妹及びその子以外の相続人に最低限の相続の権利を保障しています。
また、民法第千三十一条で「遺留分減殺請求権」として、被相続人による財産の処分によって、
遺留分を侵害された相続人は、遺留分の額以上の財産を取得した相続人に対して、財産の返還を請求することができることを定めています。
相続財産 |
非遺留分 |
被相続人の意思で自由に分割 |
遺留分 |
遺留分減殺請求権の対象範囲 |
遺留分の算出方法=遺留分算定基礎財産の価額 × 一定割合(例 配偶者+子 50%)
遺留分算定基礎財産の価額
被相続人が相続開始時に有していた財産 |
負債 |
〃 |
遺留分算定基礎財産 |
相続1年以内の生前贈与 |
遺贈等の特別受益 |
遺留分に関する民法の特例メリット
後継者が旧代表者からの生前贈与等により取得した自社株式(完全無議決権株式を除く。)又は持分について、
旧代表者の推定相続人(兄弟姉妹及びこれらの者の子以外)及び後継者の全員の合意を前提として、
次の2つの特例制度が遺留分に関する民法の特例メリットと呼ばれています。
- 生前贈与価額を遺留分算定基礎財産に算入しないこと(「除外合意」)
⇒メリットのない非後継者が遺留分放棄について家庭裁判所に申立して手続きをする必要がない。
- 遺留分算定基礎財産に算入すべき生前贈与価額を予め固定すること(「固定合意」)
⇒後継者の成果によって自社株式の価値上昇した場合に、上昇分が算入されないことで後継者の努力が報われる。
事業承継時の金融支援措置とは?
先代経営者の死亡や退任により事業承継をする際には多額の資金ニーズが発生する場合があります。
金融機関や株式会社日本政策公庫等からの融資を受け易くする措置で、
本特例の適用を受けるのは、中小企業者である会社の代表者個人が資金を
借り入れるときです。
- 中小企業信用保険法の特例
- 株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例
事業承継税制とは?
事業承継対象の会社株式等(発行済み株式数の3分の2)を贈与・相続で取得した場合に、贈与税・相続税の納税が猶予又は免除される制度です。
但し、様々な条件があり、一度認定されてもその後認定取り消しとなる場合もあるので注意が必要です。
- 贈与税の納税猶予又は免除制度(100%)
- 相続税の納税猶予又は免除制度(80%)
贈与税(100%)の納税猶予又は免除制度メリット事例(抜粋)
- 贈与税を納税猶予された経営者Aが事業承継税制対象の株式等を次代の経営者Bへ贈与した場合
⇒経営者Aは贈与税の支払いが免除される。
- 贈与税を納税猶予された経営者Aの納税猶予期間中に先代の経営者が死亡した場合に、後継者の成果によって自社株式の価値が上昇していた場合
⇒業承継税制対象の株式等は相続又は遺贈により取得したとみなされますが、
その算定価格が贈与時の価格であるため上昇分得をする。
- 贈与税を納税猶予された経営者Aの会社が倒産した場合
⇒経営者Aは贈与税の支払いが免除される。
贈与税の納税猶予又は免除制度リスク(抜粋)
- 認定後の5年間に8割の雇用を継続できなかった場合
⇒贈与税と利子税の支払い義務が発生する。
- 認定後の5年間に後継者が会社の代表から退く場合
⇒贈与税と利子税の支払い義務が発生する。
- 事業承継税制対象の会社の総収入金額が0円になった場合
⇒贈与税と利子税の支払い義務が発生する。
相続税(80%)の納税猶予又は免除制度メリット事例(抜粋)
- 相続税を納税猶予された経営者Aが事業承継税制対象の株式等を次代の経営者Bへ贈与した場合
⇒経営者Aは相続税の支払いが免除される。
- 相続税を納税猶予された経営者Aの会社が倒産した場合
⇒経営者Aは相続税の支払いが免除される。
相続税の納税猶予又は免除制度リスク(抜粋)
- 認定後の5年間に8割の雇用を継続できなかった場合
⇒相続税と利子税の支払い義務が発生する。
- 認定後の5年間に後継者が会社の代表から退く場合
⇒相続税と利子税の支払い義務が発生する。
- 事業承継税制対象の会社の総収入金額が0円になった場合
⇒相続税と利子税の支払い義務が発生する。
料金
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事業承継円滑化法の認定・確認 |
報酬(税別) |
備考 |
着手金(予定報酬額の20%) |
40,000円~ |
民法の特例、金融支援措置、事業承継税制それぞれの申請毎に |
成果報酬(認定・確認完了時に) |
160,000円~ |
申請だけの料金です。事業規模に応じて料金が変わります。 |