代金分割払いの売買契約を原因とする車(自動車)の名義変更の手順と注意事項について説明します。
分割払いの場合、問題となるのは残金が回収できないリスクを如何に減らすかです。
この車の売買契約から生じた残金(金銭債権)を保全する方法としては、大きく分けて2つあります。
だだ、車の資産価値は年々減少するので、その点は十分にご注意ください。
契約内容の交渉
次に示す売買契約の重要な要素について、買主、売主双方で話し合います。
細かいですが次の点も意識を合わせておくと、後々のトラブル防止になります。
契約締結
契約内容交渉した結果を、契約書にまとめ再確認した後に双方記名押印し合意締結した証を残します。
契約書サンプル(例)
売主(以下「甲」)と、買主(以下「乙」)は、次のとおり売買契約(以下「本契約」)を締結した。 第1条(目的物) 甲は、乙に対し、甲所有の後記自動車(以下「本件自動車」)を売り渡し、 乙はこれを買い受けた。 第2条(売買代金) 本件自動車の売買代金の総額は、金?????円とする。 <内訳(税込み)> 【車両価格】車検 有効期間 残有りの場合 ~円 【諸費用(法定費用)】 既納自動車税の未経過分( ~ 月) 円 既納自賠責保険料の未経過分( ~ 月) 円 未納自動車税分 ~ 円 ※名義変更手続きを売主が行う場合 自動車取得税円 ※名義変更手続きを売主が行う場合 法定預かり費用(各印紙代) 円※名義変更手続きを売主が行う場合 リサイクル料金 ~円 【諸費用(販売店手数料)】 名義変更代行費用 ~円 ※名義変更手続きを売主が行う場合 納車費用 ~円 輸送が必要な場合 第3条(支払い) (1)手付金 金~円 (2)残代金 残代金~円を目的物と引き渡し後 ? 回の分割払いとする。 (3)分割金の支払い時期は、引渡日の属する月の翌月から毎月月末限りとする。 売買代金の支払は、以下の甲指定の銀行口座へ振込により支払うものとする。 銀行口座: 第4条(引渡し) 本件自動車の引渡しは、手付金支払い後に引渡し日時および場所について、 双方協議の上定めるものとする。 第5条(名義の変更、登録) 甲が本件自動車の引渡し後に名義変更を行うこととする。 弟6条(費用負担) 本件自動車の引渡し時までに生じる諸費用で、第2条の金額に 含まれない費用は、原則として各自の負担とする。 第7条(危険負担) 本契約締結後、乙へ本件自動車引渡し前に、乙の責めに帰すことのできない事由により、 本件自動車に生じた滅失、毀損、価値減少等の損害は、甲の負担とする。 第8条(瑕疵担保責任) 甲は、瑕疵担保責任(瑕疵修補請求・代金減額請求・損害賠償請求・ 契約の解除)は負担しないものとする。 2 本契約締結後、本件自動車に隠れた瑕疵があることを発見した場合でも、 甲は、瑕疵担保責任はないものとする。 第9条(解除) 乙は、以下の事由が生じたときには、甲への書面による通知により、本契約を解除することができる。 (1)甲が、本件自動車を引き渡すことができなくなったとき。 (2)甲が、本件自動車の引渡しを遅延し、乙が相当の期間を定めて催告しても引渡しがなされなかったとき。 2 前項に基づき本契約が解除されたときは、甲は、乙が支払った内金に●%の金利を付して返還しなければならない。 第10条(車両保険) 乙は、残代金の支払いが全て完了するまで、本件自動車に対して車両保険を契約しなければならない。 第11条(協議事項) 本契約に定めがない事項、または本契約条項に解釈上疑義を生じた事項に ついては、双方協議の上解決するものとする。 (本件自動車の表示) 登録番号 車名 型式 車台番号 以上、本契約の成立を証するため、この契約書を2通作成して、 双方署名捺印(実印)の上、各自1通を保有する。
買主は、頭金を支払います。
売主は、受領後に車を納車します。
この時に、売主は買主の委任状と納車した車の車検証を預かります。
買主の使用の本拠近郊の代行業者へ売主が車の名義変更を依頼します。
売主が譲渡証明書を発行し、売主の名義変更の委任状と買主の車庫証明用と名義変更の2つの委任状を代行業者へ渡します。
代行業者が名義を変更し、抵当権を設定すれば手続き完了です。
車両保険に入ることなどの契約条項を付けた場合は、履行確認も忘れず行いましょう。