自己信託を使って新規事業 手順編 その1

分社化せずに新規事業 手順1 民事信託

概要
3類型ある民事信託の設定方法の内、自己信託を使って、法人化せずに新規事業を分離することができます。 事業が軌道に乗ったところで分社化し、そうでない場合は信託を清算することで、低リスクで新規事業に挑戦できます。 これにより新規事業が失敗しても既存事業への影響を最小限に防ぐことができます。

自己信託と信託業
委託者自らが信託を引き受けるもので、営利の目的をもって反復継続して信託を引き受けるものでないため、自己信託は「業としての信託の引受け」には当たらないと言われています。

新規事業の出資金
新規事業への出資者に対しては受益権を対価権利として渡します。 また、権利の証として出資者を受益者に設定して信託組成します。事業信託の出資者は、種類株式の株主として既存の株主と切り離して考えることもできます。

信託財産
新規事業の事業資金は、分別管理し、帳簿も備えるなどして信託財産であることが分かるようにしておく必要があります

事前準備
新規事業の事業資金を、出資してもらう場合、既存の株主との関係を熟慮する必要あります。場合によっては、株主総会で特別決議が必要な決定を行うことが求められます。

受託者の名称
自己信託の場合、委託者=受託者であるため委託者の氏名で事業活動を行うことができます。 そのため、その後の事業体変更の際にも速やかな移行が可能です。