みどりの食料システム戦略(概要) | 環境経営
説明
みどりの食料システム戦略(概要)-食糧・農林水産業の生産力向上と持続性の両立で実現―
日本の食料システムを取り巻く現状と今後の課題
生産者の減少・高齢化、地域コミュニティの衰退、温暖化と大規模自然災害の頻発、コロナを契機としたサプライチェーン混乱と内食拡大という現状を抱える状況にあり、今後、SDGsや環境への対応強化や国際ルールメイキングへの参画が課題となっています。
現状と課題を踏まえて、農林水産業や地域の将来も見据えた持続可能な食料システムの構築が急務となっています。
そこで、持続可能な食料システムの構築に向け、「みどりの食料システム戦略」を策定し、中長期的な観点から、調達、生産、加工・流通、消費の各段階の取り組みとカーボンニュートラル等の環境負荷軽減のイノベーションを推進します。
2050年までに目指す姿
・農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現
・低リスク農薬への変換、総合的な病害虫管理体系の確立・普及に加え、ネオニコチノイド系を含む従来の殺虫剤に代わる新規農業等の開発により化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減
・輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減
・耕地面積に占める有機農業の取り組み面積の割合を25%(100万ha)に拡大
・2030までに食品製造業の労働生産性を最低3割向上
・2030年までに食品企業における持続可能性に配慮した輸入原材料調達の実現を目指す。
・エリートツリー等を林業用苗木の9割以上に拡大。
・ニホンウナギ、クロマグロ等の養殖において人工種苗比率100%を実現。
以上の目標に対して、戦略的に取り組むために、2040年までに革新的な技術・生産体系を順次開発(技術開発目標)し、2050年までに革新的な技術・生産体系の開発を踏まえ、今後、「政策手法のグリーン化」を推進し、その社会実装の実現(社会実装目標)を目指しています。
期待される効果
経済面では、持続的な産業基盤の構築として、
・輸入から国内生産への転換(肥料・飼料・原料調達)
・国産品の評価向上による輸出拡大
・新技術を活かした多様な働き方、生産者のすそ野の拡大
が期待されています。
社会面では、国民の豊かな食生活、地域の雇用・所得拡大として、
・生産者・消費者が連携した健康的な日本型食生活
・地域資源を活かした地域経済循環
・多様な人々が共生する地域社会
の構築が期待されています。
環境面では、将来にわたり安心して暮らせる地球環境の継承として、
・環境と調和した食料・農林水産業
・化石燃料からの切り替えによるカーボンニュートラルへの貢献
・化学農業・化学肥料の抑制によるコスト低減
を期待されています。
(農林水産省 「みどりの食料システム戦略の実現に向けて」令和4年7月より)
結論
農業の革新的技術の一つに、AIによる行動計画があります。同じく工場の生産計画もAIで作成する話もありますが、農業より変数は少ないので現実的です。