みどりの食料システム法について | 環境経営

2022年09月18日 環境経営 行政書士

説明

令和4年4月22日に環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律(みどりの食料システム法)が成立し、5月2日に交付され、7月1日に施行されました。

この法律は、環境と調和のとれた食料システムの確立に関する基本理念を定めるとともに、農林漁業に由来する環境への負荷の低減を図るために行う事業活動等に関する計画の認定制度を設けることにより、農林漁業及び食品産業の持続的な発展、環境への負荷の少ない健全な経済の発展等を図るものです。

 

みどりの食料システム法のポイント

みどりの食料システムとは

私たちの「食」は、調達から生産、加工、流通、消費まで、あらゆる関係者のつながりによって成り立っており、これを1つの大きな仕組みとしてとらえたものを食料システムと呼んでいます。

近年、気候変動の影響や生物多様性の低下、SDGsをはじめとする環境への意識高まりを受けて、社会全体を持続可能なものにしていくことが求められています。

未来の子どもたちの「食」を守るためには、「食料システム」を環境にやさしい(=みどり)ものとし、みんなで身近な「食」について関心をもって、これを支えていくことが大切です。

 

みどりの食料システム法では

このような考え方を、法律の基本理念に定めています。

更に、環境にやさしい農林水産物が当たり前のようにお店に並び、当たり前のように買ってもらえるような社会を目指して、次のような取り組みを進めていくこととしています。

1.積極的な広報活動を展開します。

2.生産現場で使える技術の開発を進めます

3.地域の特性の応じた技術の普及を後押しします。

4.生産現場の環境にやさしい取り組みを支援します。

5.環境に配慮した持続可能な原材料調達を進めます。

6.環境にやさしい農産物の円滑な流通を後押しします。

7.環境にやさしい持続可能な消費の拡大、食育を推進します。

8.生産現場の努力を「見える化」し、消費者の方が選択しやすいようにします。

 

消費者にとっては、有機農産物など環境に配慮したものを選ぶことが、地球の環境を守る「きっかけ」に、事業者にとっては、「環境」が新たなビジネスチャンスを生む「きっかけ」に、生産者にとっては、未来の子どもたちに豊かな自然を残し、環境に配慮した農林水産物を消費者にお届けする「きっかけ」にいうように、それぞれの活動の中で環境を意識する「きっかけ」となることが期待されています。

 

(農林水産省 HP参考)

結論

みどりの食料システムの戦略のKPIの一つに食品、食品製造業の労働生産性 を2030年までに3割以上向上があります。5,149 千円/人 (2018年)⇨ 6,694 千円/人 (30%向上)