SRI(社会的責任投資)について | 環境経営

2022年08月10日 環境経営 行政書士

説明

SRIとは、

Socially Responsible Investmentの略で、日本では「社会的責任投資」と訳されている。従来の投資は、企業の成長性や財務的な側面を基準に投資先を決めている。これに対してSRIは、企業として社会・倫理的な面からみて、社会的責任(CSR:Corporate Social Reponsibility)を果たしているかどうかも考慮して投資先を選ぶ。

 

SRIの歴史

SRIが始まったのは、1920年代のこと。アメリカで、キリスト教の教会が資産運用の際、倫理の観点から武器、ギャンブル、たばこ、アルコールなどに係る企業に投資しない様に決めたことが始まりだと言われている。それが欧米を中心に世界に広まっていった。

その後、1990年代に入ると環境問題への関心が高まり、環境問題に特化したSRIが拡大した。1990年代後半には、環境・経済・社会の3つの側面(トリプルボトムライン)を考慮した経営を行う必要があるという考えが広まり、これらに配慮している企業に投資する形のSRI 画次々とスタートした。

2000年代に入ると環境・社会への影響も配慮した企業に投資しようという動きがさらに加速して、2006年には、当時の国連事務総長コフィ―・アナン氏が、金融業界に対して責任投資原則ガイドライン(PRI:Principles for Responsible Investment)を発表しました。機関投資家を中心とした投資コミュニティに対し、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)に配慮する企業を選んで投資するよう呼び掛けています。現在このPRIには世界2000以上の個人や機関投資家が署名しています。

これらは頭文字をとって、ESGと呼ばれ、ESGにしっかり配慮している企業への投資はESG投資と呼ばれている。

なお、日本では、1999年に環境問題への対処を考慮した金融商品が、日本初のSRIだと言われている。

 

SRI(社会的責任投資)とESG投資

SRI(社会的責任投資)とESG投資はほぼ同義で使われることが多いです。

SRIという言葉が1920年代から使われる中、2000年代から環境、社会、ガバナンスに配慮する企業への投資することを呼びかけるESG投資が台頭し、盛んになっていきました。SRIもESG投資も社会、倫理的な面を重視している点が似ており、ほぼ同じ意味として使われています。

SRI(社会的責任投資)は各時代における社会からの企業への期待を、投資行動に反映させたものと考えられます。企業が社会から求められる内容は時代と共に変化します。この結果、SRIも時代を反映して変化します。1920年代あるいは1960年代には、企業を見る目がキリスト教的倫理あるいは社会運動の視点であり、この時代のSRIも、そうした視点を反映したものでした。

最近使われるようになったESG投資という概念は、社会から企業が求められる課題、また投資に当たって考慮すべき課題が、現在では、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)に集約されていることを反映したものと言えます。

結論

サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)という取組みが始まっています。不確実性が高まる環境下で、企業が「持続可能性」を重視し、企業の稼ぐ力とESGの両立を図り、経営の在り方や投資家との対話の在り方を変革するための戦略指針とのことです。