環境マネジメントシステム | 環境経営

2022年08月04日 環境経営 行政書士

説明

「環境マネジメントシステム」について

 環境マネジメントシステムとは、企業や事業所等が環境に対して行うマネジメントシステム「Environmental Management System」と呼ばれ、略してEMSともいわれています。

 

 企業や事業所等の組織がその運営や経営において、自主的・積極的な「環境保全に対する方針」を取り入れ、その方針を実行するための体制・手続き等の仕組みをいいます。

Plan-Do-Check-Actionという一連のサイクルを回し続けることで継続的改善を図り、環境負荷の低減を目指そうとするものです。

 

地球環境問題が世界規模でクローズアップされたことで環境マネジメントシステムは、国際標準化機構(ISO)により、国際規格にも制定されています。

 

「環境マネジメントシステム(EMS)」の効果

環境リスクを回避できる

環境問題を起こすと、損害賠償などの問題が発生する場合があり、そのコストは事前対策コストと比較して非常に大きなものになります。自社の環境に関する法規制や自主基準の順守状況を認識すること、さらに、事業活動による環境への影響を調査、把握することで、環境リスクへの予防対策が図られます。

 

企業イメージの向上につながる

環境に配慮した取り組みの程度によって、消費者、社会からの事業所に対する評価が大きく異なってきます。環境行動計画を公表するなどして環境への取り組みをアピールすることで、事業所のイメージアップが図られるとともに取引条件の改善にもつながります。

 

業務の効率化を図り、コスト削減につながる

環境への負荷を小さくするには、材料の調達から生産、販売、廃棄にかかるまでの業務の無駄を省く必要があります。業務プロセスを見直すことで、環境面での業務上の無理・無駄が発見できるだけでなく、社員や職員の意識改革もなされ、業務の効率化を図ることができます。更に、省エネや廃棄物の削減は、環境負荷の低減だけでなく、エネルギーや処理費用の削減にもなる等、全体的なコスト削減につながります。

 

環境マネジメントシステムの仕様

環境マネジメントシステムの仕様を定めたものとして、国際規格のISO14001があります。この企画には、組織が環境への負荷を継続的に改善していくための要求事項をまとめており、これを満たすことが求められています。

また、環境省や一部の地方公共団体においては、主に中小企業向けに少し簡易に環境マネジメントシステムが構築できるよう簡易版ISOといったものを容易しています。この一つとして、環境省の「エコアクション21や、地方において開発された環境マネジメントシステムの制度もあります。

 

結論

略称のEMSは、「Electronics Manufacturing Service」や「Express Mail Service」(郵便)など、別の意味でも使われる有名な略称なので少し紛らわしいです。