世界の排出削減 | 環境経営
説明
世界の排出削減を効率的に進める「市場メカニズム」
「市場メカニズム」とは、温室効果ガスの排出について、海外で削減した分を自国の削減としてカウントし、目標達成に計上する仕組みのことです。
例えば、省エネやCO2排出量を減らすための技術等が既に導入されていて排出量削減の余地が少ない国が、まだまだ削減ポテンシャルが高い国に対して技術を提供して排出削減し、その削減量の一部を自国の削減量としてカウントすることにより、世界の排出削減を効率的に進めることができます。
各国政府が示した野心的目標
COP26では、他に、各国取組の報告様式の統一、2025年以降の新たな途上国支援の数値目標の議論開始等が合意されました。また、COP26でのインドの2070年カーボンニュートラル表明や、世界のメタン削減目標などを盛り込んだ2021年11月時点のIEAのレポートによると、今世紀末までに地球の気温上昇を1.8℃に抑えることができるとされています。地球温暖化を2℃以下に抑える(さらに1.5℃に抑える努力を追求する)のに十分な野心的目標を各国政府が示したのは初となります。
脱炭素実現に向けた政策動向
カーボンニュートラルについては、各国の表明内容は様々ですが、複数のシナリオを掲げて取り組んでいます。また、カーボンニュートラル実現に向けて、電化、水素化、CCUS(CO2を回収して大気中に放出させない技術)の活用を進めていくことや、革新的なイノベーションが欠かせないといった共通項があることから、取り組む政策の方向性は世界各国で一致しています。
2030年の野心的な温室効果ガス削減目標を実現しようとすれば、わずか8年で温室効果ガス排出量を大幅に減らす必要があることから、各部門で既存の技術を最大活用することが求められます。
最終的な到達点が同じだとしても、実行可能な具体策は、各国のエネルギーをめぐる情勢や現状の産業構造に左右され、施策の強度、順序、時間軸は大きく異なります。製造業が盛んな日本は、CO2排出削減量の大きさが産業、運輸、民生の順になっており、産業の脱炭素化に向けた政策に重点が置かれています。
結論
脱炭素の実現は多数のアプローチがあり、同テーマのビジネスモデルはこれから増えてくると考えられます。